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小林由政

お彼岸

『暑さ寒さも彼岸まで』の言葉通り、9月に入って朝晩は過ごしやすくなりました。 前回のお盆に続き、今回はお彼岸について調べてみました。 お彼岸には春のお彼岸と秋のお彼岸がそれぞれ7日間あり、中日が『春分の日』と『秋分の 日』です。意外と知らないのは祝日法の内容で、春分の日は『自然をたたえ、生物をいつく しむ。』で、秋分の日は『祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。』です。 また、お彼岸の期間が7日間と定められたのは、忙しい人でもその期間のどこかでご先祖様 と向き合い、手を合わせ供養することができたなら、きっと極楽浄土へ到達することができ るだろうという意味合いもあるようです。 春分の日も秋分の日もお墓参りをしてお花やお線香をお供えし、ご先祖に対して日頃の感 謝の気持ちを込めて合掌すること自体に違いは有りません。 春秋のお彼岸の時期は、昼夜がほぼ同じに長さになる期間でもあることから、1年の中でこ の世とお浄土(あの世)との距離が最も近くなり、思いが通じやすくなる時ともされていま す。 お彼岸の時期に、お墓参り以外にする事として、煩悩の世界である『此岸(この世)』から 悟りの世界『彼岸(悟りの世界)』に到達するための修行があります。※この此岸と彼岸の 間に流れる川のことを『三途の川』と呼びます。 お彼岸は、我々人間の迷いや苦しみの原因となる煩悩の世界から、悟りの境地(極楽浄土) に到達するための修行期間ですので、この期間にはご先祖様に精進料理をお供えし、自分た ちも食べるようにしましょう。『精進料理』とは、肉類や魚類を避け、野菜や海藻、穀物な どの植物性の材料で作った料理のことです。 また極楽浄土は西にあるとされているので、お彼岸には西に沈む太陽に祈りを捧げましょ う。 お彼岸のお供えとして定番なのは、季節の花、ぼた餅・おはぎ、彼岸団子、季節の果物、故 人様が好きだった食べ物、精進料理の6つです。 お花について昔は“しきみ”が主に使用されていましたが、最近では四季折々のお花をお供え する方が多いようです。秋のお彼岸には彼岸花をお供えするところもありますが、彼岸花に は毒があり、昔は土葬をしていたため、遺体をモグラなどから守るために彼岸花をお供えし ていました。 彼岸団子は彼岸入りに供える団子を『入り団子』、彼岸明けに供える団子を『明け団子』と 言います。

また果物、お菓子はお墓に直接置かず二つ折りした半紙の上に置きます。 春のお彼岸には『ぼた餅』、秋のお彼岸には『おはぎ』をお供えしますが、違いをご存知で しょうか。中には同じ物で、食べる時期が違うだけと思っている方が多いと思います。 本来、春彼岸は牡丹の花が咲く頃にお供えする『ぼた餅(牡丹餅)』はこしあんで作り、秋 彼岸は萩が咲く頃にお供えする『おはぎ(御萩)』はつぶあんで作ります。 これは、秋に収穫された小豆の皮は柔らく皮まで食べられたので『つぶあん』にし、春の小 豆は皮が硬くて食べられないので『こしあん』にしたと言われています。 また、あずきの赤色には、災難から身を守る厄除けの効果があると考えられていたようです。 お餅の形にも違いがあり、ぼた餅は大輪の牡丹の花をイメージして大きな丸い形に作られ、 一方おはぎは萩の花のように細長い俵型に作られます。 お供えしたものは、『おさがり』として食べることが一般的です。以前はお供えしたものを 食べる習慣はありませんでしたが、地方によっては『おさがり』を頂くと風邪をひかないと 言われ、縁起物とされている地域もあります。




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