日本に古くから伝わる風習のお盆、8月13日から16日に行われる先祖供養のための夏 の恒例行事ですが、当社は定休日の関係でお盆休みを 8/13(土)~8/17(水)の5連休に する予定です。せっかくなので、夏季休暇『お盆休み』について調べてみました。 もちろんお盆期間は祝日ではないので役所も銀行も開いていますが、どうして祝日にしないのかと思った事はありませんか? お盆は正式には『盂蘭盆会(うらぼんえ)』と呼ばれ、亡くなられた方やご先祖様があの世 と呼ばれる世界(浄土)からこの世(現世)に戻ってくる期間の仏教行事です。 日本は政教分離の国ですので宗教行事に由来する日を祝日には出来ません。また旧暦、新暦 の7月、新暦の8月など各地で期間が違う事もあります。 また、直接の関係は有りませんが8月15日の終戦記念日は戦争に負けた日なので祝日に はなりません。 では8月13日から16日までの4日間は何をする日なのでしょうか? まず盆の入り(盆入り)は13日に迎え火を焚いてご先祖様をお迎えし、盆明けの16日に 送り火を焚いてあの世へ再びお送りします。 一般的に8月14、15日には仏壇にお盆飾りをし、家族と同じ食事を3度お供えすること が多いようです。これを『仏膳』と呼び、専用のお椀とお皿などを使います。 さらに一連の流れを詳しく言うと、13日の盆入りの夕刻から夜にかけて焚かれるものが迎え火で、家の門前や墓前に掲げられます。盆提灯も迎え火と同じようにご先祖様の里帰りの目印のために用意され、絵柄がくる くる回転して走馬灯のように表現するものや、家紋を入れるものもあります。 盆の入りを迎えたら、仏壇の前に『精霊棚』や『盆棚』をしつらえてお供えをします。 もっとも有名なのが爪楊枝や割りばしを足にして馬や牛に見立てたキュウリの馬(精霊馬)、 ナスの牛(精霊牛)です。ご先祖様に、馬のように早く帰ってきて欲しい願いと、牛のよう にゆっくり帰って欲しい願いを込めています。また真菰で馬、牛を作る方も多いです。 お供えには刻んだナスやキュウリと洗った米を、ハスの葉などに盛り付けた『水の子』、団 子を積み上げる『迎え団子』があります。また見送る時には『送り団子』をお供えします。 ホオズキ(鬼灯)はふっくらした形と炎のようなオレンジ色から提灯に見立てられ、仏壇や 盆棚、精霊棚に飾られます。 鬼灯は死者の提灯であるとも言われ、ご先祖様は体を持っていないため空洞を探し、お盆の 4日間は鬼灯の空洞の中に身を宿して過ごすと言われています。 お盆には法要はもちろん、お墓参りでお供えをする事や盆踊りで踊りを奉納する事もお盆の正しい過ごし方です。元来、盆踊りはお盆に帰ってきた故人や先祖の霊を慰め、無事に送り返すための宗教的な行事でした。 13日の迎え火に対し、盆中の15日から盆明けの16日にかけて、お盆を共に過ごしたご 先祖様をあの世へ再び送り返すために焚かれるのが送り火です。 多くは門前や墓前で火を焚きますが、中には山の中や、海や川に火を灯した船を流すところ もあります。特に『京都五山の送り火』は全国的に有名です。 その他、かつて正月とお盆に奉公人が主人から休暇をもらって実家へ帰ることができる期 間を『藪入り(やぶいり)』と言い、『地蔵盆』では子供はお菓子をもらったり、福引きをし たりして一日楽しく過ごしますが、お地蔵様は子供を救い、成長を助ける菩薩として、古く は平安時代から人々の信仰を集めています。 最後に、お盆で最も大事なのは、カタチにこだわることではなく、先祖や故人を大切に供養 したいという気持ちです。日頃の感謝を表し温かく迎え入れることで、自分や家族にとって より良いお盆の過ごし方となるはずです。
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