巷ではよく『ブラックリストに載る』という言葉が使われますが、実際は『ブラックリスト』 という特定のリストがあるわけではありません。 『ブラックリストに載る』とは、信用情報機関における『信用情報』に事故履歴が登録され ている状態のことをいいます。
信用情報というのは、本人を識別する情報、クレジットカードやローンなどの信用取引に関 する契約内容や支払状況、利用残高などの情報によって構成されるもののことをいいます。 信用情報については、信用情報機関という団体が管理をしていますが、これは銀行系・信販 会社系・消費者金融系などに分かれて管理がされています。 また、一度債務整理の相手となった貸金業者とは契約ができなくなりますが、これは『社内 ブラック』と言われ、債務整理の相手となった貸金業者との間でのみ問題になります。
では、何をしたら信用情報に事故記録が登録され、ブラックリストという状態になるのでし
ょうか?
・長期間の延滞信用情報機関にもよりますが、2 カ月以上延滞するとブラックリストとなると考えてお
くとよいでしょう。なお、延滞が解消したときには延滞が解消したことが登録されます。
・債務整理 債務整理をするとブラックリストとなります。自己破産・個人再生・任意整理のどの手続 きでも信用情報に事故情報として登録されます。
・携帯代金の未払い 携帯電話の料金や携帯電話の端末の分割が未払いの場合、携帯電話に関する信用情報機 関に登録されるほか、クレジットカードを利用して契約している場合には信用情報機関に登録されることがあります。
ブラックリストの状態になった人の信用情報にはどのような内容が掲載されるのでしょう か?端的に債務整理をした、あるいは延滞をした、という事実のみが掲載されます。 ですので、なぜ借入をしたのか、家族についての信用情報などといった他の情報は掲載され ていません。
信用情報に事故情報が登録されることによってどのようなことが起きるのでしょうか?
・借入ができない 事故情報がある場合には、通常は審査を通しませんので、新たな借入はできないと考えて おきましょう。
親族や会社・行政が行っている生活福祉資金貸付といった信用情報による審査を行わない借り入れについては可能です。 ・クレジットカードを作れない
事故状況があると、クレジットカードを作ることができなくなります。 なお、デビットカードやプリペイドカードを作ることは可能なので、インターネットの決 済などは行うことが可能です。
・携帯電話を分割で購入できない 端末を一括で購入する、中古の携帯電話を購入する、回線の契約をするという事は可能 なので、携帯電話を利用することができないわけではありません。
・連帯保証人になることができない 信用情報を用いた審査は連帯保証人にも及ぶので、連帯保証人になることができません。 例えば、子どもが大学進学のため奨学金を利用する場合に、親が連帯保証人になることが あります。
・賃貸住宅の契約ができない場合がある 保証人不要を謳うものがありますが、実際には保証人がつかないわけではなく、信用保証 会社が保証をしてくれるためです。 信販会社の一部がこの信用保証事業を行っていることがあり、賃貸住宅の審査を行う際 に信用情報を用いて審査をすることがありますので、この場合には賃貸住宅の契約がで きません。
情報掲載期間については、事故情報が一生ついてまわるわけではなく一定期間で削除され ます。信用情報を取り扱っている会社によって差があるのですが、債務整理では完済から5 年、自己破産・個人再生では手続き終了から7年の期間で信用情報から削除されるとされて います。
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