1.そもそも『不動産×IT』とは?
端的に説明すると、IT 技術を導入して不動産業務の効率化をはかり、集客力や利益率の向 上を目指す状態を指します。ちなみに、IT 技術で不動産業界のこれまでの習慣や体制を刷新する仕組みを総称して「不動産テック(不動産×テクノロジー)」や「Prop Tech(プロパティ×テクノロジー)」と言 いますが、これとほぼ同様の状態を意味します。
IT 化の狙いは、今まで業界に無かった技術を取り入れて、業務のあり方を大きく刷新する ことにあります。 これまでチラシや雑誌で草の根的に集客していた賃貸仲介店は、ポータルサイトを経由して Web サイトからより多くのお客様に来店してもらえるようになりました。 最近の例では、反響対応や追客を効率化できる『反響管理システム』や、重要事項説明をオ ンラインで行う『IT 重説サービス』などが挙げられます。
これらの仕組みが導入されれば、お客様にとっても「迅速に問合せへ対応してもらえる」 「重説のためにわざわざ来店する必要がなくなる」などのメリットがあります。 このように不動産業者の生産性だけでなく、お客様の満足度も向上できるところに、IT 化 の意義があります。
2.不動産業界に IT が必要な理由とは?
(1) 人手不足が加速しているから 人手不足を解消するためには、人力に頼る「労働集約型ビジネス」を脱却し、IT 化によ って効率化・自動化をはかる姿勢が必要なのです。
(2) 長時間労働が問題になっているから 長時間労働は、従業員一人当たりの業務負担が大きいことも意味しており、効率化をはか る必要があります。
(3) 海外と比べて労働生産性が高くないからIT 資本投資と労働生産性の値がともに他国と比べて低いことから、日本の不動産業界 では IT 化による生産性の向上が急がれています。
3.不動産賃貸仲介業が IT ツールの導入によって起こる変化とは?
(1)物件確認がスムーズになる物件確認の IT 化として、「AI による自動化ツール」があります。 管理会社側がこのツールを導入すれば、仲介会社からの問合せに対して AI が自動で応答 し、物件の状況について返答します。
(2)内見の手間が省ける
内見の IT 化として代表的な二つのツールがあり、一つは IoT の技術を活用した「スマー ト内見サービス」です。そしてもう一つは、VR の技術を使った「バーチャル内見サービ ス」です。
(3)重要事項説明の工数が減る重要事項説明の IT 化として、オンラインで重説を行う「IT 重説サービス」が代表的で す。IT 重説では、あらかじめ店舗からお客様へ必要書類を送ったうえで、Web 会議ツー ルを使ってオンラインで重要事項を説明します。
(4) 反響対応・追客が効率化される反響対応・追客の IT 化としては、「反響管理システム(CRM)」が代表的です。
まとめ
IT ツールと聞くと、最初は「自社に合うかわからない」とためらってしまう人も多いので すが、まずはスモールスタートで試してみると業務の生産性が飛躍的に上がる可能性があ ります。
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