日本人の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳ですが、日常生活が制限されない『健康寿命』は男性72.14歳、女性74.94歳だそうです。健康寿命は意外と短くないですか?
やはり長く元気で働こうと思えば、体力や気力を少しでも高い状態で維持する努力がとても大事ですね。
平均寿命と共に長くなっているのが『定年』ですが、その歴史を調べてみると昭和初期に55歳定年がスタートし、1986年『高齢者雇用安定法』の改正で60歳定年が努力義務、1998年に60歳定年が始まりました。その間、平均寿命は1950年に男58歳、女61.5歳から1960年に男65.32歳、女70.19歳へ1970年には男69.31歳、女74.66歳そして1980年男73.35歳、女78.76歳と格段に伸びていましたが、1980年はまだ多くの企業において55歳が定年でした。私が入社した1985年は60歳定年が当然だと自分自身思っていましたが、60歳定年義務化が1998年からとは意外でした。
今年4月に『改正高齢者雇用安定法』され、これまで義務付けられていた『65歳までの雇用確保』に加えて『70歳までの就業確保』が努力義務になりました。
総務省の労働力調査によれば現在の65~69歳の就業率は男性60.0%、女性39.9%です。
では『何歳まで働けるか』と言う答えはその人の働き方によって大きく異なります。
やはりサラリーマンは60代後半で仕事を辞める人が多いのですが、自営業では70代でも3割以上の人が働いています。定年などの制限が無く、自分が働き続けようと思えば働くことができる自営業では、80代になっても働いている人が多いのは十分理解できます。
日本人の平均リタイア年齢は男性70.8歳、女性69.1歳これは世界で男性3位、女性2位だそうです。実際日本人は『働きたいと思う限りずっと働きたい』と思う人が半分以上います。一般的に日本人は労働に対する価値観が高く、家族のため社会のために額に汗して働くことは美徳、働き者は立派な人というような考え方があります。だから人間は働けるうちは働き続けるべきと考える傾向があるようです。実際シニア世代になると、やりがいや張り合いを求めて『働きたい!』という意識が強くなるそうです。
シニア世代の働きたいという意識には、①自分のこれまでの経験や得意分野を生かしたい。②働くことで社会に貢献したい。③社会や人と接点を持ち続けたい。④働いていた方が生活に張りがでる。⑤仕事を通して自己実現や成長ができる。などが有り、生涯現役を目指す方も多くいます。政策としても、70歳まで働ける環境づくりが進められています。企業には、社員の再就職の面倒を見たり、フリーランスや起業を選んだ人に業務委託したりすることが求められています。70歳まで働く時代はもう始まっているのかもしれません。
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