一般的に、定年を待たずに退職することを「早期リタイア」といいますが、早期退職後のライフプランには①アーリーリタイア ②セミリタイア ③FIRE があります。
最近は企業が希望退職者を募り、それに応じて退職する方も多くなっていますが、社員のメリットには割増退職金があります。
その割増退職金の平均額は「年収×2年分」だそうで、45歳前後の方は迷われる方も多いと思います。
① アーリーリタイアを選択する場合
年金受給が65歳からであれば65歳から現在の年齢をひいた期間の資金が必要です。
夫婦2人世帯の平均的な生活費が25万7千円(年額約310万円)ですので、例えば55歳なら310万円×10年=3100万円。
そして現在の平均寿命の男82歳・女88歳より長く夫婦共90歳まで生きたとすれば年金だけで不足する分の資金が必要ですが、一般的に夫婦2人で退職時3000万円あれば余裕だと言われています。
日々の仕事に追われていると「時間が欲しい」と思っていても、実際に自由な時間ができると「何をやればよいのかわからない」と悩む方も少なくありません。
定年退職後・引退後に暇だと感じ始めるようになるのは「10カ月後」という結果が出ています。実際「毎日公園を走ってから図書館に行って、カフェで時間を潰している」方が多いのもうなずけます。
引退後の生活で何を生きがいにするか?ライフプランをしっかり設計しておかないと、せっかくの自由な時間を生かせませんよね。
② セミリタイアを選択する場合
セミリタイアとは、労働時間を減らし趣味など自分の時間を十分に確保するライフスタイルのことです。
退職後にやりたいことが明確にある人は、実現のために自由な時間が手に入るのは大きなメリットと言えます。また、長年働いてきた身体を癒すためにリフレッシュする時間に使うのも良いかもしれません。
今までは生活のためにしていた仕事から離れて、ご自身が好きだと思える業種にチャレンジして短時間や週3日程度働く方も多いようです。
逆に早期退職で失敗しやすい人は、早期退職の割増退職金や職場からのストレスからの解放といった目先のメリットだけを優先させてしまい、しっかりしたライフプランを描かないで退職した人です。
新しいことにチャレンジする意欲が少なかったり、前職の給与以上を求めたりする人は失敗する可能性が高くなります。
早期退職をしてもあまり問題ないのは「会社の内外で評価が高い人」「経験やスキルがある人」と言えます。
しかし退職により社会的な信用が下がる可能性は高く、日常生活で困らなかったとしても、大きなお金を使うタイミングで信用の低さを実感する人は多いようです。
③ FIREを選択する場合
FIREとは「Financial Independence 、Retire Early(経済的自立と早期リタイア)」の頭文字になります。アメリカ発祥のムーブメントですが、最近では日本でも目標にする人が増加しています。
FIREでは資産運用による経済的自立を目指し、若い内に働いて投資元本を蓄財し、運用益で生活できる目途が立った段階でリタイアするのです。
具体的には「年間支出の25倍の資産」と「4%ルール」があります。
例えば年間支出が400万円の場合、25倍の1憶円の資産が必要で、4%ルールとは「生活費を投資元本の4%(400万円)以内に抑えると資産が目減りしない」というルールです。FIREでは資産運用で生活を立てることになるため不確実性が伴います。常に利益を得られるわけではないため、FIRE後は生活費を削減するように心がけないといけません。
岸田政権は2,000兆円にのぼる個人の金融資産を投資に向けるため、「資産所得倍増プラン」を年末までに作成することにしています。
資産所得とは、個人が持っている資産から得られる所得のことであり、利子・配当・賃貸料収入などがあります。
また積極的な運用には投資信託、不動産投資、不動産クラウドファンディング、つみたてNISA、iDeCoなどがありますが、確実なものはありません。あくまで自己責任です。
最後に老後生活のうち、最もお金がかかるのは介護を必要とする最後の数年間。そのための資金を残しておかないといけません。また家のリフォーム費用も大きな出費です。
そして体の丈夫な人の盲点が入れ歯。インプラントは1本30万円くらい必要です。
家のリフォームと歯の治療には共通点があって、どちらも本当にひどくなるまで、つい放置してしまう。すると余計に出費がかさみます。
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